真葛京焼『丁子風炉』〜香りの歴史
2021/12/10
真葛京焼『丁子風炉』
香りの歴史
現代で言うアロマディフューザー
『丁子風炉(風呂)』
東向商店街の骨董屋のショーウィンドウに目が留まりました。
店主に聞けば約100年程前の真葛京焼だそうです。
丁子風炉と言えば元ポーラ化成工業(株)研究所調香師であり日本の香り文化を研究されている、佐藤孝先生を思い出します。
AEAJ機関紙No.95のー歴史を彩るアロマー
『宮中でも愛された贅を尽くした丁子風炉』
というタイトルで丁子風炉について語られています。
「丁子」はスパイスでいうクローブ、乾燥させたクローブを丁子風炉で沸かし、香の蒸気となって、部屋を浄化させた道具。
最近の調査では明治天皇の生母、中山慶子の遺品の中に丁子風炉があったそうで、幕末では婚礼道具の一つになっていったそうです。
婚礼道具の一つとなった理由は女性特有の症状(月経や妊娠、出産、更年期などによる精神不安)を少しでも緩和する手段だったのではないかと佐藤先生は仰っています。
確かに、丁子(クローブ)は体内部の冷えからくる不調に良いとされています。
漢方では「温中降逆」と言って、胃腸を温め、上った気を下方に納め、冷えによる腹痛や、消化不良、しゃっくりなどに利用されていると言われています。
丁子は悪臭を抑える強い香りでもありますし、上記のことから考えても丁子が使われてた理由が分かります。
クローブ精油には殺菌作用や鎮静作用も期待されていますので現代の使い方としては、アロマディフューザーに添加しても良いと思います。(*香りが苦手な場合はおやめ下さい)
蒸気で香りを燻らせるのは加湿器的な要素もありますので、冬は特に乾燥や、辛い冷えに良いですね。
因みに他の丁子風炉も見せて頂きました♪
さすが、宮中や武家、豪商の嗜み物。
良いお値段でした〜
追記:今回は大和橘精油、四季橘精油の製作は見合わせております。よろしくお願い申し上げます。