うつ病と嗅覚組織

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うつ病と嗅覚組織

2020/06/17

うつ病と嗅覚組織

うつ病の引き金が発見される⁈

『うつ病の引き金は嗅覚組織のメカニズムによるものだった⁈』

アロマテラピー界において、疲労と香りは醍醐味です。

勿論、うつ病に良いと言われている香りはどんな物がありますか〜?なんて聞かれことも多々あります。
しかし、特定の香りが効きますよ!とは言えませんね。医薬品医療機器等法に違反しますから。

ですが、せっかくですので。三重大学小森照久博士等々よるラットにおける実験にて、レモンをベースとした柑橘系香料により抗ストレス作用・抗うつ作用を確認し、うつ病治療にこの香りを使用して2、3ヶ月後には抗うつ薬投与は大半ゼロになるほど、大幅な減量がみられたとあります。
日本園芸協会 アロマテラピー講座 応用編より

私の友人の旦那さんもうつ病と診断された時にはオレンジの香りを好んでいたようです。

このように、嗅覚による脳への作用は多くの研究者により様々明らかにされて来ましたが、うつ病の引き金となるメカニズムが嗅覚組織によるものと解明されたようです。

東京慈恵会医大の研究チームは、人が保有するHHV6というヒトヘルペスウイルスが、疲労、ストレスを感じると、
                             ↓
                   ⑴ 唾液中に放出
                             ↓
     ⑵においを感じる脳の中枢嗅球に再感染
          SITH(シス)1(ワン)タンパク質生成
                             ↓
(3)脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込むことで脳細胞死によりうつ病になる。嗅球や海馬などで脳細胞の状態が激変する
                              ↓
      (4)意欲欲減退などが起きると推論。

更に、嗅球の細胞死によって海馬での神経再生が抑制されるとありました。
【うつ病の「引き金」物質を確認 疲労やストレスで増加(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース】
https://news.yahoo.co.jp/articles/82ad6000d953fe70c3cee162ef60e33ceb9cb8e3

『ヒトヘルペスウイルス』良く聞くウイルスですが、種類は人においては8種類。真核生物に存在し、凡そ100種類程あるそうです。

ヘルペスherpesはギリシャ語で『這う』を意味するそうです。

一度感染すると、静かに体内を這っているのでしょうね…

口唇ヘルペスは1型、性器ヘルペスは2型、水痘・帯状疱疹は3のようにそれぞれ違う要素があり、今回うつ病の引き金と見られているHHV6は、乳児期に皆経験している突発性発疹の原因ウイルスだそうです。

HHV6は150以上の検死例の分析から嗅覚組織の存在量が多く、ここが中枢神経系への侵入点だと考えられていました。
それが、うつ病と関係があるとは!

HHV6はヒトの染色体のうち、9、17、18、19、22番に組み込まれることが多く、その他10番や11番にも認められ、おおよそ7000万人がこのように染色体に組み込まれたHHV-6を保持していると推定されているそうです。
Wikipediaより

染色体に組み込まれている数は人によって違いがあるかもしれませんが、誰しもがうつ病にかかる可能性はあるということですね…

そして、脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込むことで脳細胞死になり、それが結局原因でうつ病になるそうですが、カルシウムが脳細胞死を引き起こすってなんかイメージできませんよね?だって、イライラしてるとカルシウム足りないんじゃない!なんてよくいいますし…

それはつまり、ホメオスタシス(恒常性の維持)といって、生体の様々な機能を駆使して生命維持をしている関係で、身体を構成する細胞は、体液すなわち細胞外液と細胞内液で満たされているわけですが、その体液には電解質が溶けています。その一つにカルシウムイオン(イオンとは水に溶けて、電気を帯びた原子で原子集団が生じる)があります。細胞内液と細胞外液のイオン組成の違いを維持することが生命維持にとって重要であるのですが、そのカルシウムイオンが、なんらかの影響、今回は、SITH1の影響で脳細胞内に入り込み、細胞内液のカルシウムイオン濃度が上がり脳細胞死を迎えてしまうわけです。カルシウムイオンは神経細胞死のトリガー(引き金)ともなる物質だそうです。

イライラするとカルシウム足りないんじゃない!っていうのは、カルシウムは、骨を形成するだけでなく、神経伝達物質を放出するなど、神経や筋肉の働きを正常に保つことや、ホルモン分泌に重要な働きをしているといわれいるからなんです。

香りの認識の構造上で、もう少し掘り下げて推測すると
⑴HHV6が唾液に放出

⑵嗅上皮に存在する嗅細胞(嗅覚受容神経)に
Gタンパク質結合受容体の一つとしてSITH1が発見そのSITH1が活性化

⑶環状AMP(c AMP)を産生するに至り、イオンチャンネルが開き、カルシウムイオンが細胞内へ入る。

⑷脱分化が細胞へ起きる。その活動電位が嗅球へ伝わる。

⑸脳へと情報を送りうつ病に至る。

という専門用語が多く咀嚼して説明出来ないのが難点ですが、これでもザックリとした内容。

嗅覚受容体としての観点からみるとそうではないのかなぁ?と私なりに推測してみました。

うつ病の成り立ちは少し違うルート構成にあるかもしれませんね。

新型コロナウイルス感染をした場合は嗅覚を失う現象を伴うことも明らかとなりましたが、まだまだ嗅覚組織による発見はあるかもしれませんね。

最後に。

慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)は
「SITH(シス)1(ワン)」の名前の由来について明確にはされていませんが、うつ病の引き金に掛けているのだと思います。
『SITHシス』は、スターウォーズのダースベーダーの意味↓
怒りや憎しみなどといった強い負の感情から生み出される攻撃的な、「ダークサイド(暗黒面)」のフォースを信奉する者たちを指す。